
ソフトバンク回線利用者向けMVNO。b-mobileの新プランの全貌とは?
ソフトバンクのSIMロック端末を対象に通話が可能な格安SIMを開始すると発表した日本通信(MVNO、b-mobileの運営会社)。
発売1週間前の8月9日にその全貌がようやく明らかになりました。
サービス名は「b-mobile S スマホ電話SIM」となります。
音声通話可能であるということがすぐにわかるネーミングですね。
なお、サービス概要は以下の通りです。
◇対象機種
以下のソフトバンク回線対応iPhone
iPhone7/iPhone7Plus/iPhoneSE
iPhone6s/iPhone6sPlus/iPhone6/iPhone6Plus
iPhone5c/iPhone5s/iPhone5
※iPhone4s以前のマイクロSIM端末は対象外です。
◇利用料金
料金体系は毎月のデータ量に応じたスライド制となっています。あらかじめ上限を決めておく方式ではなく、毎月利用したデータ量の実績に応じて請求額が変動する仕組みです。
また、すべてのプランにおいて5分までの通話が無料となる「通話5分かけ放題」を含んでいます。
利用データ量 | 月額料金 |
1GB | 2,450円 |
2GB | 2,800円 |
3GB | 3,150円 |
4GB | 3,500円 |
5GB | 3,850円 |
※金額は税別
また、最低利用期間は設定されておらず、解約金もありません。
◇専用コールセンターの設置
「b-mobile S スマホ電話SIM」専用のコールセンターを設置し、質問などに対する回答を行っています。
TEL:03-6435-9800
明確になったソフトバンク回線MVNOのターゲット
また、MVNO、b-mobileを運営している日本通信のプレスリリースを見ると、以下のような文言を確認できます。

ここでの要点をまとめると、
- スマートフォンを新たに買い替えることなく利用できる
- NTTdocomoやauのユーザーと同じようにSIMロック解除せずに利用できる
ということです。
「当たり前」という言い方をしていますが、NTTdocomoユーザーがSIMロックを解除せずに楽天モバイルの利用ができるように、ソフトバンクユーザーもSIMロック解除せずにソフトバンク回線対応MVNOの新プラン「b-mobile S スマホ電話SIM」を利用できるということですね。
となると、気になるのはNTTdocomoユーザーとソフトバンク回線ユーザーが、それぞれ格安SIMに乗り換えた時の料金差、すなわち、楽天モバイルなどのdocomo系au系MVNOの格安SIMと、「b-mobile S スマホ電話SIM」との料金比較です。
若干高いものの健闘している!
先程の料金表に、楽天モバイル含めたdocomo系とau系の格安SIMの料金を付け足してみました。
すべて5分間のかけ放題通話サービス込みの料金です。
利用データ量 | 日本通信 | 楽天モバイル | DMMモバイル | UQmobile |
1GB | 2,450円 | 1,990円 | ||
2GB | 2,800円 | 2,230円 | 2,480円 | |
3GB | 3,150円 | 2,450円 | 2,350円 | |
4GB | 3,500円 | |||
5GB | 3,850円 | 3,000円 | 2,760円 |
※UQmobileは初年度割引がありますので、2年間のトータルコストを月額平均で算出しています。
こうやってみると他社よりも若干高く感じますが、ソフトバンクの回線接続料の高さを考慮すると十分健闘している料金プランだと感じます。
さて、ここまでの情報を基に、日本通信のMVNO新プラン「b-mobile S スマホ電話SIM」に乗り換えるユーザー層を推定してみましょう。
メインはソフトバンク回線使用のiPhone5と6ユーザー?
日本通信のMVNOのプラン「b-mobile S スマホ電話SIM」は、ソフトバンク系であるため他社格安SIMと比較すると割高です。従って、SIMロック解除できるiPhoneであれば、解除した後にそれらの安いサービスを契約したほうがお得ですね。
では、SIMロック解除できない2015年4月以前の端末を持っている場合はどうでしょう?
この場合気になるのは契約2年縛りの違約金ですが、今回のb-mobile S スマホ電話SIMの料金を考慮すると、MNP手数料を加えてもおそらく4~6か月で元が取れる計算になります。
従って、長く使うのであれば、違約金が派生しても乗り換えたほうがお得ですね。
これらをわかりやすく表にしてみました。
今使っているスマホ | iPhone5c/iPhone5s/iPhone5/iPhone6/iPhone6Plus | iPhone7/iPhone7Plus/iPhoneSE/iPhone6s/iPhone6sPlus | |
端末の分割購入 | 支払い完了 | 残債あり | 一括購入のため残債なし |
SIMロック解除 | できない | できる(購入から101日以上) | できる |
MVNOへの乗り換えはお得? | 契約解除料(違約金)が発生してもb-mobile S スマホ電話SIMに乗り換えたほうが(長い目で見ると)お得 | 残債の残り金額を計算し、docomo系などの格安SIMサービスに乗り換えたほうがお得な場合もある | すぐにでもSIMロック解除してdocomo系などの格安SIMサービスに乗り換えたほうがお得 |
このように、
- 今使っているiPhone5や6などの2年以上前の端末を持ち
- 愛着があるため当分買い替えなどをすることなく長く使うことを前提に
- 少しでも安く利用したいと考えている
という3つの条件を満たすユーザーは、b-mobile S スマホ電話SIMを積極的に検討しても良いのではないかと思います。
特にiPhone5sは使い勝手も良く、未だに継続して利用しているユーザーが多い機種です。
ソフトバンク回線ユーザーでiPhone5sを使っている場合、9,800円の違約金と3,000円のMNP手数料を払ってでもb-mobile S スマホ電話SIMを契約したほうがお得です。
ただし、注意しなければならないのは、今の端末をそのまま使い続けることが前提である点です。
まもなくiPhone8シリーズの発売も噂されており、各社こぞってキャンペーンを打ち出してくることでしょう。
それらの新機種に惹かれる可能性のある方は、現時点では踏みとどまったほうが良いかもしれません。
まとめ
日本通信のMVNOの新プラン、b-mobile S スマホ電話SIMがソフトバンクユーザーをどれだけ囲い込めるか、楽しみになってきました。販売店も大手量販店をはじめとしてかなり多くのショップで取り扱うことが公表されています。
追って店頭状況のレポートも行いたいと思いますのでお待ちください。
この記事を書いた人

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福岡出身のフリーライター。就職を機に上京し人材コンサルタントや外資系ITベンチャー企業に勤務。
20年余の東京生活にピリオドを打ち2015年に福岡へUターンしフリーライターとして活動開始。