楽天モバイル、MVNOとしては初の通話し放題プランを発表
参考:楽天モバイル公式サイト
MVNO大手の楽天モバイルは、2017年4月24日新しいかけ放題プランを発表しました。
楽天モバイルユーザーを対象として、指定の通話アプリ「楽天でんわ」を使用した通話に関し、相手先を問わず国内通話ならば毎月2380円で通話し放題となるプランです。
これまで、多くのMVNOでは「定額での通話し放題」プランがラインナップされていましたが、そのどれもが「1回あたり10分以内の通話であれば」かけ放題になるであるとか、「月60分以内の通話であれば」かけ放題になるといった、何かしらの制限がある通話し放題プランでした。
ところが、楽天モバイルがリリースしたこのプランは、国内であれば相手先を問わずかつ通話時間も関係なくかけ放題になるというプランです。
このプランを利用すれば、どれだけ長電話をしても料金は月額固定ということになるため、MVNO初の試みとして注目を集めています。
大手キャリアにしかなかった通話し放題プラン

実はこの手の「月額固定料金で通話し放題」プランは、これまでNTTdocomoなどの大手キャリアしかラインナップしていませんでした。
例えばNTTdocomoは「カケホーダイプラン」という名前で国内の携帯電話や固定電話に対する通話料を月額固定の2,700円で提供しています。
同じくauは「誰でも割+カケホプラン」、ソフトバンクは「スマ放題プラン」としてNTTdocomoと横並びの月額2,700円で提供しており、それ以外の通信会社では何かしらの制限のある通話し放題プランしかありませんでした。
つまり、料金を気にせずに長時間の通話を行うユーザーであれば、必然的にMVNOは選択肢から外れていたのです。もちろん、プライベートで1回10分以上の長電話をするユーザーもその中に含まれますが、最も多いのは仕事で携帯電話を使用しているユーザーでしょう。
端末を会社から貸与されており利用料金も会社持ちであるなら良いのですが、日本企業の場合プライベートの端末を仕事用に使用しているユーザーも少なくはありません。
そのような場合、従量制の通話料金設定は負担が跳ね上がることとなるためMVNOは敬遠されがちです。
楽天モバイルと大手との価格差はどのくらいなのか?
では、今回発表された楽天モバイルの料金プランを、NTTdocomoの料金プランと比較してみましょう。
ユーザー想定をシンプルに「1台利用の単身者でデータ通信量は5GB程度」としてみます。
楽天モバイル | NTTdocomo | |
通話し放題プラン | 楽天でんわ 2,380円 |
カケホーダイ 2,700円 |
データ通信量5GB | 5GBプラン 2,150円 |
データMパック 5,000円 |
その他 | なし | SPモード 300円 |
合計 | 4,530円 | 8,000円 |
このように、半額とまではいきませんが毎月3,500円程度の差が生じます。
年間41,460円の差は大きいですね。
もう一段安いデータ2GBプランだとその差は2,500円程度に縮まりますが、楽天モバイルは2GBプランではなく3.1GBプランとなるため、価格以上の差が生じてしまいます。
NTTdocomoなどの大手と全く同じ利用条件でこの差というのは、ある意味衝撃的な事実ではないかと思います。
参考:楽天モバイル公式サイト
どのようなユーザーにとって最も価格メリットのあるプランなのか?
上記の様に家族のいない単身ユーザーであれば、楽天モバイルとの契約はかなりの価格メリットを享受することができます。
一方の家族ユーザーの場合、大手キャリアには家族割やパケットを分け合えるプランがあるためあまり差が生まれないかもしれません。
それでも通話し放題プラン単体での料金差があるため、よほどの大家族でない限り逆転することはなさそうです。
まとめ
今回発表された楽天モバイルの通話し放題プランは、MVNO業界としては初となるためその動向が注目されています。
1回あたりの通話時間が長く、MVNOとの契約に躊躇していたユーザーも、これを機に楽天モバイルへの乗り換えを検討し始めることでしょう。
また、大手キャリアがどのような対抗策を打ってくるのかにも注目です。同時に、通話料金を巡る他MVNOの動向からも目が離せませんね。
この記事を書いた人

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福岡出身のフリーライター。就職を機に上京し人材コンサルタントや外資系ITベンチャー企業に勤務。
20年余の東京生活にピリオドを打ち2015年に福岡へUターンしフリーライターとして活動開始。