iPhone8を少しでも安く使いたい!
満を持して発売されたAppleの新機種iPhone8シリーズ。
iPhone7の正常進化型であり、それほど目新しい機能は無いですが、やはり人気機種です。
大手キャリアもiPhone8シリーズに対応した新しい料金プランを発表しており、従来よりもコストを抑えてiPhone8を保有することが可能となっています。
そうなると、気になるのが「iPhone8を利用するならキャリアと格安SIMのどっちがお得か」ということ。
今回はiPhone8を大手キャリアで契約した場合と、アップルストアでSIMフリー版を購入し格安SIMで利用した場合との2年間のトータルコストを算出し、どちらがお得かを比較してみることとしました。
双方同じ条件で算出し比較するため、前提条件として
- 新規1回線のみの契約であること
- ネット限定あるいは販売店独自のキャンペーンなどは適用しない
- 自宅のインターネット回線変更(光コラボへの変更)はしない
- 対象機種はiPhone8Plusの64GB
- 毎月のデータ利用料は5GB未満
としています。
大手キャリアの標準的な2年間の維持コスト
大手3社はいずれもiPhone8向けの新しい料金プランをリリースしています。
3社ともネット上でシミュレーションができるため、そちらを利用して2年間のiPhone8維持コストを算出してみましょう。
【大手キャリア 2年間維持コスト】
プラン名 | 初期費用 | 月額費用 | 2年間トータルコスト | |
docomo | 通話: カケホーダイライト データ: シェアパック5 |
3,240円 | 10,998円 | 267,192円 |
au | auピタットプラン スーパーカケホ (4~5GBの場合) |
3,240円 | 1年目: 8,458円 2年目: 9,538円 |
219,192円 |
ソフトバンク | 通話: スマ放題ライト データ: データ定額5GB |
3,240円 | 8,165円 | 199,200円 |
※金額は税込みです
これを見るとNTTdocomoが飛びぬけて高く見えますが、docomo以外の2社は端末代金48回払いのプランです。
24回払いのdocomoの方が高くなってしまうのは当然ですね。
この48回払いプランには大きな落とし穴がありますが、それはまた後述いたします。
なお、各社ともに2年縛り契約であり、途中で解約すると違約金及び端末残債の支払いを必要とします。
アップルストアで購入し格安SIMで運用した場合
続いて、アップルストアもしくはアップルの通販サイトでiPhone8のSIMフリー版を購入し、格安SIMで利用した場合のコストを算出してみましょう。
格安SIMは業界最大手のOCNモバイルONEを利用すると想定しています。
【OCNモバイルONE 2年間維持コスト】
プラン名 | 初期費用 | 月額費用 | 2年間トータルコスト | |
アップルストア | 一括購入 | – | – | 96,984円 |
OCNモバイルONE | 音声SIM6GB+ OCN電話10分無料 |
3,240円 | 3,240円 | 81,000円 |
合計 | 177,984円 |
OCNモバイルONEには5GBプランが無く、6GBプランで算出してみました。
iPhone8をアップルストアにて正規価格で購入したとしても、大手キャリアより2年間の維持コストが安くなることがお分かりいただけるでしょう。
ただ、「そうは言ってもソフトバンクと比べると2万円ちょっと(1か月1000円程度)しか変わらないじゃないか、思ったより安くないな」と思われる方もいると思います。
もちろん、「2年間の維持コスト」で比較するとそうかもしれません。
しかし、ソフトバンク(とau)の新しいiPhone8向けプランは、先程も言った通り「48回分割払い」です。
この「48回分割払い」は以下のようなデメリットを含んでいます。
- 2年間払い続けてもまだ分割払い金が残っている→サポートが無くなる3年目から料金がドカンと上がる
- 2年後に新しい端末に無料で変更できるかわりに・・・
1、2年後にMNPすれば端末残債を一括払いする必要がある
2、2年後は指定機種に指定プランで変更しなければならない
3、画面割れなど商品価値が落ちていた場合引き取りができず、高額の追加料金支払いが発生する
つまり、iPhoneをなるべく傷付けずに大切に扱い、この先もず~っと同じキャリアで指定プランを利用し続ける覚悟を求められているということです。
そして最も大きいのは2年後のiPhone8の商品価値。
NTTdocomoとアップルストアで購入した場合は、既に端末代金の支払いを終えているため、iPhone8は「自分のモノ」になっています。
つまり、「売ればお金が入ってくる」価値があるし、機種変更の際に「下取り」に出せるということです。
一方のソフトバンクとauはまだ支払いが終わってないため、2年後の機種変更では「端末が回収」され価値はゼロです。
毎月のコストは低くなっていますが、2年後のiPhone8の価値を考慮するとかなり損をしていると言えるかもしれません。
左右するのはiPhone8の「2年後の価値」
どのくらいの損をするのかについては、「2年後のiPhone8の価値」に左右されます。
参考までに、2年前の2015年9月に発売されたiPhone6sシリーズの現在価値を見てみましょう。

64GB版を例に挙げると、発売時の価格は98,800円でした。それが現在中古買取では29,000円で引き取ってくれます。
発売時の29.3%の価値になっているということですね。
これをそのままiPhone8Plus64GBの2年後(2019年時点)の価値に当てはめてみると、28,400円程度です。
前述した維持コストに、この2年後のリセールバリューを考慮して比較してみるとこうなります。
キャリア | 維持費+リセールバリュー |
NTTドコモ | 238,792円 |
au | 219,192円 |
ソフトバンク | 199,200円 |
OCNモバイルONE | 149,584円 |
ソフトバンクとauはリセールバリューを考慮できません。こうやってみると、やはり格安SIMには圧倒的な価格アドバンテージがあると言ってよいでしょう。
もうひとつ付け加えるなら、リセールバリューはあくまでも買い取り専門店に持ち込んだ時の価格です。
ネットオークションなどではさらに高値で売買されていますので、工夫次第でさらにこの差を広げることもできます。
まとめ
大手キャリアの「安い」料金プランは、一見するとかなりお得感を出しているように見えますが実はいろいろな制約が発生します。
2年後、4年後とMNPせずずっとそのキャリアを使い続けるのであれば比較的お得であることに変わりありませんが、それでも格安SIMと比較すれば高いという結論になります。
最新機種を利用しても2年で5万円以上の価格差が生じてしまう格安SIMと大手キャリアの差。
少しでも家計を楽にしようと思えば、格安SIMを選択するのが賢明と言えますね。
この記事を書いた人

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福岡出身のフリーライター。就職を機に上京し人材コンサルタントや外資系ITベンチャー企業に勤務。
20年余の東京生活にピリオドを打ち2015年に福岡へUターンしフリーライターとして活動開始。