店頭だとあっという間に完了するMVNOの申し込み手続き

格安SIMを提供している各MVNOと契約をする場合、ほんの2~3年前まではインターネットによる手続きがほとんどで、店頭受付はごく一部のMVNOしか行っていませんでした。
ところが、ここ最近、MVNO各社は店頭での受付を充実される方向へ舵を切っています。このように各社が店頭手続きを充実させているメリットとはどのようなところにあるのでしょうか。

インターネットでの申し込みの場合、申し込み完了から利用開始となるまで日数がかかることが普通です。一例としてOCNモバイルONEのインターネット申し込み手続きフローを以下に記します。

1、申し込み希望サービスを選択し、住所氏名など必要事項を入力
↓(同時)
2、運転免許証などの身分証明書をスキャンし指定された場所へアップロード
↓(3~4日後)
3、SIMカードや端末が自宅に届く(端末によっては日数に変動あり)
↓(到着後)
4、SIMカードを端末に挿入し、自分で接続設定を行う

このように、利用申し込みから利用開始まで日数がかかる点がデメリットです。
また、パソコンを持っていない層はこの手続きを行うことができず、有望な顧客を取り逃がしていた可能性もあります。
そして4の設定手続きも初心者には難しく、まさに「わかる人だけわかればいい」というスタンスがMVNOの申し込みハードルを上げていたのです。

量販店店頭には専用ブースを設けている

この申し込みや利用開始に関するハードルを下げ、より多くの人に格安SIMを利用してもらう機会を設けようと、MVNO各社は今店頭受付に注力し始めています。特に大手家電量販店や大手レンタルDVDショップなどの店頭では、専用の受付ブースを設け、NTTdocomoなどの3大キャリアと同様の対面式受付販売を行っています。

店頭には各社おススメ端末をディスプレイし、各種割引に関するPOPも設置するなど、その様子は3大キャリアとほぼ変わらないお店もあります。 各種SIMをはじめ、各社が提供している端末の店頭在庫も豊富にあり、週末などは相談や受付に来店者が列をなすこともある程です。

この店頭受付においては、格安SIMの即時発行が可能な点が特徴です。
30分ほどの待ち時間はありますが、申し込みしたその日に使用開始可能となること、あわせて面倒な接続設定をブースの担当者が行ってくれること(会社によっては有料サービス)がメリットです。

従って、これまで格安SIMに縁のなかったインターネットリテラシーの低い層やなんとなくめんどくさいから3大キャリアを利用し続けていた層の取り込みに成功し、利用者急増の一因にもなっているのです。

Y!mobileは格安スマホ会社の中で最も多くの店舗を展開

実はMVNOの対面受付式店舗展開は、Y!mobileが最も先行しています。

Y!mobileの前身がイーモバイルであったこともあり、サービススタート時には既に多くの店舗を持っていたこともその要因の一つです。日本全国に広がる店舗網は2016年12月現在で1200店以上あり、他のMVNOとは文字通り桁違いの店舗数を誇っています。

各店舗とも比較的余裕のある造りになっており、複数の店員が店頭での実機案内や受付など幅広い業務を対応しています。
大手量販店店頭の場合は、複数社相乗りでのブース展開を行っている所が多く、販売員も各社の派遣店員や量販店のプロパー店員などが混在していますが、Y!mobileのような独立した専門店の場合、店員がより深い知識を持っているため、親切丁寧にアドバイスを行うことが可能です。

ユーザー側も3大キャリアとほぼ変わらない接客対応に満足しているというデータもあり、今後もこのY!mobileが格安スマホを牽引していくのではないかと思わせます。

楽天モバイルやイオンスマホなども独自店舗展開

一方、その他の比較的新しいMVNOも負けてはいません。

これまで量販店内における店舗展開がメインであった楽天モバイルが、独自店舗を次々と各地に出店し始めています。東京の銀座や渋谷公園通りをはじめ、名古屋駅前や大阪心斎橋などに路面店を設け、道行く人にアピールするようになっているのです。

また、イオンモバイルも全国に展開するイオンショッピングモール内に独自のブースを設け、主に家族連れなどの買い物客に対し積極的に販売攻勢をかけています。やはり店頭で手続きをする「安心感」があるのか、ブースには常に人だかりができており、人気の高さがうかがえます。

実際の申し込み手続きの流れ

では、この店頭での申し込み手続きの流れを実際に見てみましょう。

大手家電量販店の店頭には、3大キャリアとMVNOが各社競い合うように販売員を立て通行客に声をかけています。その中から今回はプラスワン・マーケティング株式会社が提供する「フリーテル」を選択し、申し込みを行ってみました。

ブースに着席すると、まずは料金プランの説明を受けることができます。とはいうものの、MVNOの場合は非常にシンプルな料金プランであるため、ユーザー側が選択するのは「端末の種類」「通話するかしないか」「1か月のデータ通信量」だけです。

SIMのみ購入の場合は端末を選ぶ必要はありません。なお、端末もあわせて購入する場合はスマートコミコミというお得な料金プランがある旨の説明があります。
必要事項を申込書に記入、あわせてプランを選択し、毎月の料金をシミュレーション。

今回選択したのは端末が麗(REI)+データ1GB+音声定額サービス(5分までの通話通話が無料)の組み合わせです。
単純計算すると端末分割代金も含めて毎月のコストが3,670円ですが新規契約の場合、1年間は毎月1,000円が割り引かれるため2,670円で利用可能です。


それとこのスマートコミコミの大きなメリットがあります。
それは「とりかえ~る」というサービス。
これは契約期間中に使用している端末の最新機種が出た場合、利用中の端末を最新機種へ無料で変更できるというもの。
フリーテルが発売している端末に限定されますが、常に新しい機種を保有したいという方にはベストなプランですね。

店頭受付のみで行っているキャンペーンもあり

そして今回の店頭受付において、インターネットでは行っていないお得なキャンペーンがあるとの案内がありました。
それはmusic.jpが4か月間無料で利用できるという事。映画や音楽、コミックなど豊富なラインナップが揃うmusic.jpが4か月間無料で利用可能であり、解約も無料でできるというキャンペーンです。こういったキャンペーンが適用されるのも店頭受付ならではのメリットです。
他にも、フリーテル以外のキャリアで行われていたキャンペーンをいくつか挙げると

  • 端末代金割引キャンペーン
  • 初期設定無料キャンペーン
  • 旧機種下取りキャンペーン

など、各社趣向を凝らしたキャンペーンを展開しています。
これらのキャンペーンは店頭のみの場合もあるようなので、もし近くに店舗があれば覗いてみるのもよいでしょう。

店頭申し込みにより手間の煩雑さが解消された

この店頭申し込みによる格安SIM即時発行は、これまで3大キャリアを「なんとなく便利だから」利用していた層を広く取り込むことに成功しているようです。

実際、この日の店頭も、NTTdocomoやauのブースと同じくらいの客数でにぎわっており、年齢層も幅広い様子が見て取れました。各MVNOから販売応援に来た店員も多く、力を入れている様子がうかがい知れます。
独自店舗展開をする会社、量販店店頭にブースを設置する会社と各社戦略は異なりますが、いずれにせよユーザーの選択肢が増えているのは事実。今後さらなる店舗展開の拡大も予想され、MVNO市場の拡大がさらに進むものと思われます。

この記事を書いた人

h.katsura
h.katsura
福岡出身のフリーライター。就職を機に上京し人材コンサルタントや外資系ITベンチャー企業に勤務。
20年余の東京生活にピリオドを打ち2015年に福岡へUターンしフリーライターとして活動開始。