激しさを増す通信事業者の勢力争い

調査会社MM総研が2017年6月に発表した「国内MVNO市場規模の推移」によると、独自サービス型SIMの回線契約数は810万回線であるとされています。
これは前年比50.2%増という数字であり、格安SIMサービスがかなりの勢いでユーザーの間に浸透していることを示唆しています。

また、ここ最近のTVコマーシャル攻勢により、UQmobileY!mobileの2社がシェアを急増させているというデータもあります。

少しわかりにくいのですが、この、UQmobileとY!mobileの2社は「サブブランド」と呼ばれており、その他の格安SIM事業者とは異なる事業体であると認識されています。

つまり、現在のモバイル通信市場は「大手キャリア」と「サブブランド」そして「格安SIM事業者」の三つ巴の戦いが生じているということになります。

大手キャリアはサブブランドへの流出をある程度許容している?

そもそも、なぜ「サブブランド」と呼ばれているのかご存知ですか?

実はUQmobileの運営母体であるUQコミュニケーションズはKDDIのグループ会社であり、連結決算対象です。大手キャリアのauはKDDIが運営しているため、auとUQmobileは兄弟みたいなものなのです。

同様に、Y!mobileの運営はソフトバンクが行っています。もともと別会社であったものを買収する形をとったため、1社に2ブランドが存在するという珍しいスタイルです。

つまり、UQmobileはauの、Y!mobileはソフトバンクの系列であり、異なる価格帯でより多くのユーザーを囲い込もうという戦略のもと事業展開しているということですね。あえて例えるならばユニクロとGUみたいな関係です。

昨今、格安SIMの知名度が上がり、多くのユーザーが格安SIMへと乗り換えを検討し始めました。
しかし、格安SIMの多くはNTTdocomo回線を使用した会社が多く、auとソフトバンクは顧客流出を食い止めるためこれらのサブブランドに力を入れ始めたのです。

昨年あたりから、ソフトバンクやauのコールセンターにMNPの申し出を行うと、「サブブランドへのMNPであれば解約手数料が発生しません」と案内して流出を食い止める施策がメジャーになりました。

これも、同一グループ内で展開しているサブブランドへのMNPであれば、業績への影響を最小限に食い止めることができるからに他なりません。

ユーザーが選ぶのは「安さ」か「信頼」か「バランス」か

かくして、大手キャリアvs格安SIM事業者の戦いの間にサブブランドが割って入る形になり、現在のような三つ巴の戦いとなっているのです。

客観的に見ると現在の状況は昔の中国を舞台とした三国志のようで興味深いといえます。
イメージで言うならば、あらゆる面で圧倒している大手キャリアが魏、新興勢力のサブブランドが蜀、小国の寄り合い所帯で身内同士の争いもあるイメージの格安SIMが呉でしょうか。

蜀に諸葛亮のような戦略家がいれば、また呉に周瑜のような知略家がいれば、とつい妄想してしまいますね。

ユーザー側としては、このように幅広い選択肢を持てる現状は歓迎すべき事象ではないでしょうか。

大手キャリアの「信頼」は、多少通信料金が高くても納得できるものでしょう。
また、多少通信クオリティが落ちても支障を感じないユーザーは「安さ」を求めて格安SIMを選択できます。

そして安さも魅力だけど通信クオリティは下げたくないというユーザーは「バランス」をとってサブブランドという選択肢があります。

SIMフリースマホであれば、どの勢力にも属することが可能です。
あれこれ乗り換えてみて、自分に合ったキャリアを見つけるのも楽しみの一つですね。

まとめ

現在最も勢いのあるのがサブブランドであることは事実です。
大手キャリアに固執するユーザーは減少傾向にあり、今後さらに多くのユーザーが乗り換えを検討することでしょう。

唯一サブブランドを持っていないNTTdocomoは、相次いで価格の引き下げを打ち出しユーザー流出に歯止めをかけようと必死です。格安SIMもいつまで安さだけを武器に戦っていけるのか、先行きの見えない戦いを強いられています。

ユーザーにとっては、安くてクオリティの高い通信環境の実現が第一。
覇権を制するのがどの勢力か、しばらく熱い戦いが続きそうですね。

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この記事を書いた人

h.katsura
h.katsura

福岡出身のフリーライター。就職を機に上京し人材コンサルタントや外資系ITベンチャー企業に勤務。

20年余の東京生活にピリオドを打ち2015年に福岡へUターンしフリーライターとして活動開始。