海外メーカー製の端末が人気の格安スマホ業界

■ファーウェイ・ジャパン 参考:http://www.huawei.com/jp/

2016年、スマートフォン業界においては海外メーカーの躍進が目立った1年となりました。
格安SIMの利用が一般化した流れを受け、スマートフォンの新規購入も海外メーカーの比較的安いスマートフォンに流れ、各メーカーともに次々と価格を抑えた新製品を投入したのです。

この流れは2017年に入っても続くと見られており、各社の春モデルも続々と発表されています。
しかし、依然として好調なのは海外のメーカーばかり。国内メーカーにおいては一部を除きあまり目立った動きをしていません。
そこで今回は国内のスマートフォンメーカーにスポットを当て、海外メーカーとの比較及び2017年の戦略について解説いたします。

国内メーカーと海外メーカーの戦略の違い

まず、現在日本で発売されているスマートフォンのメーカーについてご説明します。
日本で発売されているスマートフォンは大きく海外メーカー製と国内メーカー製とに分かれています。

OEMなどによりメーカーが別でも中身は一緒という場合もありますが、単純化するため以下の様に区分けしてご説明します。
なお、主要メーカーのみピックアップしているためすべてのメーカーを反映しているわけではありません。

メーカー名 主なブランド
国内メーカー 富士通 日本 arrows
SONY 日本 Xperia
SHARP 日本 AQUOS
京セラ 日本 DIGNO
NEC 日本 MEDIAS
海外メーカー Samsung 韓国 Galaxy
LG 韓国 LG
Acer 台湾 Liquid
ASUS 台湾 ZenFone
HTC 台湾 HTC
Huawei 中国 Honor
ZTE 中国 Blade
Google アメリカ Nexus
Apple アメリカ iPhone

このようにざっと思いつくだけでもかなりの数のメーカーが日本でスマートフォンを販売しています。
そして、海外メーカーと国内メーカーとの大きな戦略の差の一つに、MVNO各社が端末をセット販売しているか否かという点が挙げられるのです。

次に国内のMVNO各社がどのメーカーの端末を販売しているのか、主要MVNOを中心に見ていきましょう。2017年1月現在の各社webページからデータを抽出してみます。

MVNO名  取扱いメーカー
楽天モバイル ASUS、Huawei、SHARP、富士通、ZTE
OCNモバイルONE ZTE(gooスマホ)、ASUS、Huawei、富士通
mineo  富士通、Huawei、ASUS
LINEモバイル 富士通、Huawei、ZTE、ASUS
IIJmio  SHARP、ASUS、富士通、Huawei
DMMモバイル SHARP、Huawei、ASUS、富士通
U-mobile 富士通、Huawei、ASUS、ZTE、HTC
UQmobile 京セラ、ASUS、Huawei、SHARP、LG、富士通
Y!mobile SHARP、google、京セラ、Huawei、LG

このように、国内メーカーでは富士通が多くのMVNOで取り扱われている以外はSHARPが目立つくらいで、後はほとんど取扱いがありません。
UQmobileとY!mobileは純粋なMVNOとは若干違うため参考までに表に加えましたが、この2社においても海外メーカーの扱いが多く、MVNO各社におけるセット販売は海外メーカーを前面に押し出してるようです。

海外メーカーが進める高機能高価格化戦略

このようにMVNOと海外メーカーとの組み合わせが多い理由は、海外メーカーのスマートフォンが低~中スペック低価格商品を投入しているからに他なりません。つまり、通信料の安さを訴求するMVNOと相性がいいのです。

また2016年後半から、海外メーカーも比較的高スペックのスマートフォンを続々とリリースしてきています。
オクタコアを搭載してカメラ性能も向上させた端末価格5万円を超える製品も多数投入してきており、低~高スペックまで取り揃えたMVNOがますます勢いを増しつつあるのです。
2017年も引き続き幅広いスペックのスマートフォンを日本市場に投入することでしょう。

対する国内メーカーはどのような戦略で臨むのか?

一方、国内メーカーの多くは高スペック高価格の製品を製造し、iPhoneとの競争市場を形成してきました。
しかし、日本においてのiPhone独り勝ちの状態をひっくり返すことができず、苦戦しています。実は、これら国内メーカーの製品を販売しているのは3大キャリア。
つまり、これまで、

  • MVNO=低~中スペック端末で安さを訴求
  • 3大キャリア=高スペック端末と通信品質で高クオリティを訴求

という棲み分けができていたのですが、MVNO各社の高スペック端末投入によりこの棲み分けが意味をなさなくなり、よりMVNOにユーザーが流れていくという状況になっているのです。
あわせて、総務省による実質0円規制により、圧倒的なブランド力を持つiPhoneは別として、それ以外のスマートフォンは売れ行きが鈍化しているのです。

では、国内メーカーは2017年、どのような戦略で巻き返しを図ってくるのでしょうか。
そのカギはMVNOとの連携にあると考えます。
MVNOユーザーの中でも、安ければいい派と高スペックを求める派が混在しています。その市場を狙って、今まで関係の無かった国産メーカーがSIMフリー高スペック端末をMVNOとセット販売するようになるのではないかと思っています。
実際、iPhoneは型落ちモデルではありますがMVNOでの店頭販売を行っています。このように、国内メーカーもまずは型落ちモデルから参入するかもしれませんね。

まとめ

国内メーカーにとっては苦境の日々が続く時代です。コストパフォーマンスでは海外メーカーが優位であることに変わりはありません。
しかし、品質や信頼性といった部分ではまだまだ国内メーカーにアドバンテージがあります。2017年はMVNOと国内スマートフォンメーカーのタイアップが話題になる年かもしれませんよ。

この記事を書いた人

h.katsura
h.katsura
福岡出身のフリーライター。就職を機に上京し人材コンサルタントや外資系ITベンチャー企業に勤務。
20年余の東京生活にピリオドを打ち2015年に福岡へUターンしフリーライターとして活動開始。