「もっと手軽な料金で」を目指してdocomoが発表したシンプルプラン

2017年4月26日、NTTdocomoは新しい料金プランとなる「シンプルプラン」を発表しました。
2017年度のさらなる業績拡大及びMVNOへの転出者増に歯止めをかけることがこのプランの目的であると説明されています。

実はこの日行われた決算説明会では、2016年度通期決算が増収増益となったことが報告され、変わらぬ好調ぶりがアピールされていました。しかし、契約者のMVNOへの流出は増加の一途をたどっており、今度の成長のためには格安なプランの導入が不可欠であると判断したのでしょう。

今回はこのNTTdocomoのシンプルプランが、その980円という価格の安さを武器にしてどの程度MVNOの得意とするマーケットへ切り込めるのかを見ていきたいと思います。

シンプルプランとはどのようなプランなのか?

さて、打倒格安スマホを掲げて発表されたNTTdocomoの新料金プラン「シンプルプラン」ですが、名前の通りシンプルな料金体系でどれほど安く利用できるか、を期待していたのですが・・・。

リーフレットを見る限り、話はそれほどシンプルではなさそうです(苦笑)

格安SIMの料金プランの方がこれよりもっとシンプルなのですが、それはまあいいとしましょう。このNTTdocomoの「シンプルプラン」を、できるだけシンプルにわかりやすく説明すると

  1. おなじみの2年縛り契約である
  2. 家族との通話が無料となる(家族以外は有料)
  3. 通話部分が月額980円の料金+データ通信プランの組み合わせとなる
  4. データ通信プランは家族でパケットを分け合うプラン(シェアプラン)しか選択できない
  5. 単身者向けデータプランは選択不可
  6. パケットを分け合うプラン(シェアプラン)は最低5GBから
  7. 契約年数や光回線契約に応じた割引制度あり

という内容です。

「シンプルプラン」というサービス名から、多くの格安SIMのような単純な料金体系のプランを想像していたのですが、中身を見るにどうやら従来のカケホーダイプランのサービスレベルを落として安くしたプランに過ぎないことがわかります。

家族が多く家族としか通話しない人ならメリットはあるが・・・

では、このシンプルプランの契約がお得になるパターンを見ていきましょう。
前述の通り、このシンプルプランの対象は言うまでもなく家族全員がdocomoと契約していることが前提です。仮に夫婦+子供1人の3人家族を想定して計算してみましょう。

契約者 通話部分 データ通信部分 SPモード 合計

※主契約者
980円
(シンプルプラン)
夫6,500円
(家族で5G)
妻子=500円
300円 7,780円
980円
(シンプルプラン)
300円 1,780円
子供 980円
(シンプルプラン)
300円 1,780円
11,340円

このような料金となります。3人家族で5GBというのが妥当かどうか判断がつきませんが、wi-fi環境に恵まれているのであれば十分ではないでしょうか。

この計算だと、ひとり当たり3,780円となります。ドコモにしては安く感じますね。
3人全員が家族としか通話しないのであれば。

ここで比較対象として同じく2年縛りのあるY!mobileを挙げてみましょう。

参考:Y!mobile公式サイト

Y!moboleは非常にシンプルな料金体系です。
10分以内の通話無料+データ2GB=1,980円(2年目は2,980円)です。3人家族だと月額5,940円であり、docomoのシンプルプランより安いですね。

こうして計算してみると、NTTdocomoのシンプルプランがひとり当たり月額2,980円を下回るには、5人家族以上のパターンです。

つまり、5人家族(あるいは家族全体でスマホ5台持ち)であれば月額2,980円を下回るためY!mobileよりもお得になります。

3人全員が家族としか通話しないのであれば+家族全体でデータ5GBしか使わないのであれば。

結論:MVNOにとって脅威ではない

こうやって見ると、確かにdocomoにしては思い切った料金を打ち出していることがわかります。
しかし、実用的なプランであるかと言われれば首をかしげざるを得ません。そもそも「家族との通話は無料だが家族以外とは30秒20円の通話料がかかる」という時点でなんだかなあという感じです。

単純に月額料金比較だけ見ると、MVNO各社に迫るケースも想定されます。
ただし、現実的ではないため、料金プランという側面においてはMVNOの脅威とはなり得ないでしょう。

もちろん、NTTdocomoブランドという信頼感はお金に変えることはでませんので、ブランド料+安心料を含めてNTTdocomoのシンプルシンプルを選択することもアリだとは思います。
家族としか通話しないのであれば。

まとめ

家族の囲い込みを狙ったこのシンプルプラン。家族のいない単身者にとってはあまり関係の無い話です。
以前よりNTTdocomoは家族契約を重視していますので、今回の新プランもそれを狙っているのでしょう。
しかし、このシンプルプランを積極的に選択する層がいるのかどうか、ちょっと疑問に感じるのは私だけではないと思いますがいかがでしょうか?

この記事を書いた人

h.katsura
h.katsura
福岡出身のフリーライター。就職を機に上京し人材コンサルタントや外資系ITベンチャー企業に勤務。
20年余の東京生活にピリオドを打ち2015年に福岡へUターンしフリーライターとして活動開始。